古典怪談から紡ぎ出す怪談ワンマンライブに行ってきた【番外編】

旦那さん
ようやく梅雨も明けてきたかな、今日は暑いけどお日さまが出ていい気分。
ふくく
そうだね、いよいよ夏が来たって感じがするね。夏といえばやっぱり「山、海、そして怪談」だよね!
旦那さん
うーん、最後のは多分ふくくだけじゃない?

ということで、今日は日本橋人形町で「怪談ワンマンライブ」を聴いてきました!

語り手は憑依系パフォーマーとして名を馳せている「満茶乃」さん!

この方なんと、平成27年8月関西テレビ『稲川淳二の怪談グランプリ 2015』で準優勝を果たされている実力者なのです!

  • 満茶乃さんのprofileはこちらからどうぞ↓

https://utukaridoh.themedia.jp/pages/200961/profile

普段は関西を中心に活動されているのですが、今年は東京で初ワンマンライブを開催されるということで、2週間前から楽しみにしておりました。

怪談といえば、やっぱりまず思い浮かべるのは稲川淳二さんですよね。

稲川さんは、ビジネスホテルやアパートの1室で起こる怪奇現象など、現代社会に潜む身近な霊の怪談話で有名ですが、満茶乃さんの怪談は、京の都の怨霊悪霊が跋扈する由緒正しきザ★古典怪談

京の都が舞台の中心ということで、お話によってはかの有名な安倍晴明などの陰陽師も登場してきます!

霊が直接語りかけてくるかのような恐怖感

この満茶乃さんの怪談ライブの特徴は、何と言っても語り手が霊に憑依されているとしか思えないこと!

初めて見た時は衝撃的でしたが、満茶乃さんの鬼気迫る声の抑揚、震え、身も凍りつくような表情、仕草の一つ一つが、まるで本当に霊が憑依して、満茶乃さんの身体を借りて語りかけてくるように見えるのです!

ふくく
ぶっちゃけ、青森のイタコより何倍もリアルだよ!笑

京都ではそのあまりの怖さに、一度行くと二度目の参加は控えてしまう方もいると聞きました(なんてもったいない…!)

さらに、この満茶乃さん、普段は子どもたちに絵本の読み聞かせ活動を行っていらっしゃいます。これまたギャップがすごいですよね、子どもに読み聞かせるときは憑依されたりしないのか気になるところです笑

私自身は満茶乃さんの怪談ライブに参加するのは今年で3回目になりますが、一昨年は開演前に会場のトイレの棚が勝手に外れて落ちたり、観客席の電気が突如付かなくなったりと、ちょっと背筋が寒くなる怪奇現象付きでした!

完璧に世界観に取り込まれる語り口

今回の怪談ライブの演目は、以下のとおり。怪談2話の真ん中に、元仏教ライター、現TANDENメソッド指導者の小出遥子さんと満茶乃さんの対談を挟む構成です。

1.古典怪談ー満茶乃
「今昔物語集より『生霊』」
2.対談ー小出遥子/満茶乃
「救いを生む”かたり”」
3.古典怪談ー満茶乃
「今昔物語集より『羅城門』」

特に第3の羅城門は、芥川龍之介の執筆した「羅生門」を国語の教科書で読んだことがある方も多いのではないでしょうか。

「羅生門」は芥川龍之介のオリジナル作品だと思っていましたが、実は彼も今昔物語集を題材に書いたということを今日初めて知りました。

さて、今日のライブ会場は日本橋のとある和食料理店の2階の1室でした。

古民家の1部屋のようで趣があり、またちょうど夕方からシトシト降り出した雨も相まって、これから怪談を聞くにはもってこいの夕暮れ時でした。

開演時間になると部屋の明かりが消され、舞台の裏手の灯りだけがぼおっと光る物々しい雰囲気に。

第1の演目は「生霊」。

舞台傍からすーっと音も立てず満茶乃さんが現れ、いよいよ語りが始まりました。

まず、物語のあらましを簡潔にお伝えするとこんな感じ。

「生霊」あらまし
ある下郎が、京から美濃の国へ下ろうと夜更けに旅立つと、道中青い衣を来た不気味な女に引き留められる。

女は近くの屋敷まで行きたいからと男に案内を頼む。男が渋々屋敷まで案内すると、女は彼女が住む近江の家まで来たらきっと御礼をすると言って喜んでいたが、ふいに男の視界から消え去った。

直後、屋敷から凄まじい悲鳴が響き渡る。男が恐る恐る屋敷を訪ねてみると、先ほどの女が嬉しそうに佇んでおり、屋敷の当主は隣で首をかき切られて死んでいた。

恐れをなした男は旅を中断し家に帰り、3日間を置き再び美濃へ旅立つも、近江に差し掛かったあたりであの女の家が近いことを思い出し立ち寄ってみる。

女は病に臥せっていたが、いわく「京の屋敷の当主を愛していたが裏切られた。当主をこの手で殺したことだけははっきりと覚えている。本当に喜ばしい、ご案内どうもありがとう。」と。

まぁ…、文章で読むと何とも簡潔ですが、不気味で後味の悪い話ですよね。

この物語の元になっているのは「今昔物語集」第27巻第20話「近江国生霊来京殺人語」ですが、タイトルが率直すぎるため満茶乃さんがアレンジを加えて「生霊」とされたそうです。

内容も所々脚色を加えられて、全体的にボリューミーな演出となっています。

まずは物語の入り口、男が夜更けに京を旅立つシーン。ウトウト寝かけても、やけに寝苦しく度々目が覚める…。そんな嫌な夜を誰でも経験されたことがあると思います。

やむえず夜も開けないうちに男が京を旅立つと、まだ暗い路地傍にぼんやりと、この世のものではないような何か不気味なものが立っている…。想像しただけでやめてくれ!と叫びたくなりますよね笑

「死んでも関わりたくない!近寄らないでくれ!」という恐怖と焦りが綯い交ぜになった下郎の心境を、男になりきった満茶乃さんが震え声と表情だけで実に上手に演じられます。

ふくく
現代風でいうと、稲川淳二さんの「いやだなぁ〜、こわいなぁ〜こわいなぁ〜。」という心境ですね笑

で、結局男は女に捕まってしまうのですが、この時の女の呼び声。「もしぃ〜、もしぃい〜、」という第一声からしてすでに恐ろしいです。頭の裏から飛び抜けるような、素っ頓狂な甲高い女の声。

満茶乃さんの怪談は、登場する女がとにかく全員不気味。それが霊でも生きた人間でも関係なくゾッとするほど怖い!

で、なんやかんやで男は女に押し切られて屋敷まで案内するわけですが、この時の女、やけに足取りがおぼつかないにも関わらず、心配になって振り返ると存外男のすぐ近くに立っている。しかもニタァと笑っている!

この辺りの細かい描写は当然今昔物語集の原作には存在しないわけで、満茶乃さんが物語に臨場感を出すために非常に巧く付け加えられているわけですね。

で、屋敷に着くと女は御礼を言って、目を離した隙にあっという間に消えてしまう。さらに屋敷から響く耳をつんざくような断末魔。ここで男はそのまま帰ればいいものの、なぜかわざわざ夜明けまで待って屋敷に入るんですよね。まさしく好奇心は猫も殺す。

でも、ちょっと男の気持ちもわからなくもないですよね、野次馬根性とでも言いますか。

ものすごく怖いんだけど、怖いものみたさで気になってしまう。この男の人間らしい行動に共感を覚える方も多かったのではないでしょうか。

さて、男が屋敷に入るシーン。「もしもしー!」と呼びかけながら扉をトントン叩くもなしのつぶて。当然ですね、当主は中で死んでますからね。

このノックの擬音は、満茶乃さんが実際に舞台の机を(おそらく)扇で叩いて表現されます。シーンとした会場の静けさを打ち破る木の音が何とも臨場感溢れます。

そして、古い扉を開く音や家屋の床が軋む音は全て声だけで表現されるのですが、これがまた「一体その綺麗な顔立ちのどこから出されているの?」と不思議に思うほどリアルで不気味。

「ギィィィイイ、ギィィイイイ!」と何か呻き苦しむような、およそ人の口から出されるとは思えぬ(失礼)いやぁな音が響きます。

さて、中に入ると当主は衣も乱れて血まみれで死んでいるわけですが、側にはあの女が座ってニタァと実に嬉しそうに笑っているわけですね。

この時の女の恐ろしい表情といったら。

満茶乃さんの顔は目が凍りつくように冷たいのに、口元だけが嫌に両脇に釣り上がって、少し小首を傾げて頭がゆらゆらと揺れています…、こわいの一言に尽きる。

さて、事件も落ち着き何とか京を旅立った男。止せばいいものをなぜか近江の女の家に立ち寄るんですよね。

いくら好奇心が湧いても、あれだけ恐ろしい思いをしておいてまた行きますかね、普通…笑

で、女は生きているわけですが、病に臥せってほとんど動けない状態。とても京まで出かけられる身とは思えません。ここで女の生霊が近江から飛んで、当主を祟り殺したことを知るのでした。

女は憎き男を殺せて万々歳でしょう。当主はちょっと可哀想ですが、女を騙したので殺されてもやむを得まい。でもこの下郎はただの巻き込まれ損ですよね。

そんな後味の悪さを残して、この物語はスパッと幕を閉じます。

怪談に隠された「救い」

お次は第3の演目に移る前に、満茶乃さんと小出さんの対談です。

小出さんいわく、満茶乃さんの怪談は全て「救い」を前提として語られているとのこと。

そのことは今回初めて知ったのですが、これまで聴いた満茶乃さんの怪談に果たして救いがあっただろうか…と振り返っても、私にはすぐにはピンと来ませんでした。

というのも、今回の話以上に凄惨な結末を迎える怪談もたくさんあり、最終的に登場人物の誰かが明確に救われたと感じるような話は、正直少なかったように思います。

例えば今回の「生霊」。誰か1人でも救われたでしょうか?

女は気が晴れたでしょうが、人を呪い殺すことで自らもまた罪を重ねているように思えます。

殺された当主は命を絶たれているわけで、救われたも何もないような気がします(これ以上悪事を重ねずに済んだと言えば、仏教的には救われたのでしょうか?)。

下郎は言わずもがな、巻き込まれただけですよね。自分が女を案内さえしなければ、当主は死なずに済んだのではないかという後悔の念に、死ぬまで苛まれる気がします。

もちろん「救い」に明確な定義はないわけで、何を救われたと思うかは人それぞれ。「救い」の形も無限に存在するのだろうと思います。

今回の対談でも、この話の救いとはなんぞやという点については明確に告げられませんでした。

一体どんな救いが隠されているのか…、考えてもにわかには分かりませんが、人間のどんな行いにも必ず仏の救いは隠されているということだろうか…。

ふくく
この答えを見つけ出すには、まだまだ自分は人生経験と重ねた苦労が足りなそうです笑

第三の演目を目前にして起こる身体の異常

さて、考えさせられる対談も終わり、2話目の「羅城門」の語りが始まりした。

「盗みを働こうと、ある男が京へやってきた…。」と語り出されたところ、ワクワクしながら舞台をジッと見つめていると、突然ぎゅーんとカメラのレンズを絞るかのように、視界の端から暗闇が溢れてきて、景色が何だか青緑色に変わりました。

初めは「なにこれ演出…?いや、照明がおかしくなったのかな?」と思ったのですが、2,3秒もしないうちに猛烈な吐き気が襲ってきて、頭から足元まで血の気がサーっと引くような感覚に陥りました。

キーンと鋭い耳鳴りがした後、水の中に潜ったように急に耳が詰まって、満茶乃さんの語り声がボワァ〜と遠くで反響しています。上手く言えないのですが、お風呂でのぼせた時のような感じといいますか。

あまりに突然のことで軽くパニックになりつつ、とにかく一度呼吸を落ち付けようとしたのですが、全く吐き気が収まらない。上半身がガタガタ痙攣を起こしたようになって、自分ではどうにも抑えられません。

喉からツバが、後から後からウッウッとせり上がってきます。席を途中で立つのは本当に申し訳なかったのですが、座席で吐いたらさらにご迷惑がかかるので、ライブを抜けて1階のお手洗いに行くことに。

しかし、会場は昔ながらの日本家屋。ただでさえ怪談が狭く急なのに、視野も狭っている上に目眩もひどく足が動きません。やむえずお尻をついて、一段一段身体を引きずるように下りました…。

(汚い話ですみませんが)お手洗いで便座にしがみ付いていると、数分たって吐き気もちょっと収まってきました。しかし、両手がグニャっと変な形で硬直したままなかなか解けません…。

スタッフさんがお茶を入れたコップを渡して下さったのですが、手が強張って受け取るのも一苦労でした。

少し具合が落ち着いてきて、「これは貧血か?食あたりか?」などと色々原因を思い当たったのですが、25年生きてきてこれほど酷い貧血?を起こしたことはありませんし、おかしなものを拾い食いした覚えもなく。

と…考えますと、正直にわかには信じ難いのですが、「霊が引き起こした何らかの現象」としか思えず…。

旦那さん
そんなまさか…。怪談にビビりすぎて貧血でも起こしただけじゃないの?
ふくく
いや、でもこーんな怖い廃虚に単身ズケズケ入り込んで、パシャパシャ写真撮りまくるような女だよ私は…。

霊に怯えて貧血を起こすか弱さも、1ミリ程の霊感も持ち合わせていない!!

旦那さん
じゃあ二日酔いは?
ふくく
今きっぱり禁酒中。

落ち着いた今振り返っても、私にはアレが何だったのかさっぱり検討もつきません。とにかく心底気持ち悪かったので、もう二度と経験したくないです。

ただ、この世のものでない何かが惹き寄せられてもおかしくないほどに、満茶乃さんの語りが鬼気迫るリアルさを持っていることは確かな事実。

恐ろしい怪談話に引き寄せられた何かが私の中にうっかり入り込んで、悪さを働いたのかもしれませんね。

ということで、楽しみにしていた肝心の「羅城門」は残念ながら聞き逃してしまいました泣

しかし、ライブ後の懇親会(参加自由)で皆さんの感想を聞くに、羅城門で老婆が死体の髪を引き抜くあの有名なシーンでは、場のおどろおどろしさや老婆の狂気が見事に体現されていたとのことで、私もぜひ生で見たかったなぁ…と口惜しい限りです。

きっと、また別のライブで羅城門を演じられることもあるはず…!その時が来るのを楽しみにしています!

まだまだ怪談イベントは開催されます!

さて、満茶乃さんの怪談ワンマンライブはいかがでしたか?本当に生映像でお見せできないのが残念…!

今年もひんやりと涼しい味わいが、初夏のジメジメした暑気もサーっと拭い去ってくれました!

なお、7月21日(日)には、同じく日本橋人形町の小料理屋「玉ひで吉祥の間」にて、満茶乃さんも出演される「世にも奇妙な三都物語」(鑑賞料:3000円)が開催されます!

このイベントでは最後に厄払いもあるそうなので、霊の憑依が怖い方も安心して奮ってご参加ください笑

  • イベントの詳細・ご予約はこちらからどうぞ!

https://timetreeapp.com/public_calendars/utukaridoh/1130991351984535181

  • 会場住所

東京都中央区日本橋人形町1丁目17−10吉祥の間(店内に入る。店内右わきの階段を二階へ、右奥に入った場所です。)

そのほか、今後の満茶乃さんの出演イベントのスケジュール詳細は、空果梨堂イベントカレンダーから随時ご確認下さい。

ではでは!

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